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春節休暇 ~西安旅行~ 三日目 [チャイナの休日]

三日目、本当は西安の西に広がる諸皇帝の陵墓群をめぐりたいところですが、それにはあと2泊は必要なので今回は市内数箇所を巡るだけです。

一箇所目は「碑林博物館」。その名のとおり石碑の林です。
DSC_6470.JPG
それこそ漢の時代から清までの石碑を900年もかけて集めているという場所で、見所沢山です。

あの歴史上の人物の筆跡に直に触れることが出来る(本当に触っちゃいけませんけど)、歴史好きには堪らない場所でしょう。
正面玄関前には玄宗皇帝の自筆である「石台孝経」の大きな石碑、儒教の経典の一つ孝経を解説したもの。
DSC_6444.JPG石台孝経.JPG

745年製作とあるから、1,264年前!玄宗皇帝、字うまっ!

最初の展示は、ひたすら儒教経典を書き写した「開成石経」、部屋一面に並べられています。
開成石経.JPG
これも唐の時代のものだけれど、お城の中に並べて建てて、当時の学生はこれを見てひたすら勉強したらしい。
唐の時代の前の隋から始まった科挙、今で言う国家公務員試験にあたるんだろうけど、それは経典の内容にいかに通じているかを試す試験。 この試験で優秀な成績を収めれば将来の栄達が約束される訳で、これらの石碑と真剣ににらめっこしてた学生がいっぱいいたと想像すると楽しいですね。

次の部屋では世界史で習った(はずの)「大秦景教流行中国碑」が。
実物みるとやはり少し感動。景教とはネストリウス派キリスト教。
当時の長安は世界最大の国際都市で、当たり前のように様々な民族が同居していたと言われています。

" 五陵の年少、金市の東 銀鞍白馬 春風を度る(わたる) 落花踏み尽くして何処にか遊ぶ 笑って入る胡姫の酒肆(しゅし)の中 "
- 李白「少年行」 -

五陵とは長安の西に広がる漢代皇帝の陵墓の地域、この時代は侠客の親分の住む地域、そこの若者達が、西域由来のモノの溢れる西の市(金市)へと白馬に銀の鞍を載せて颯爽と乗りつけ、春風の中、花を踏み散らしながら何処へ向かうと思えば、異国の女性のいる酒場だった。
イケメンの不良少年達が高級車で欧米人の集まる場所へと向かい、その乗り付ける先は金髪の女性が酒を注いでくれるバーだったと。今の感覚で読み替えると、こういう感じでしょうか・・・。
とても当時の国際的な賑やかさが感じられ、大好きな詩の一つです。

DSC_6465.JPG
この細い柱の一群は拴馬粧(馬止め・馬繋ぎ)。明清時代において建物の門前に建てられ、家畜などをつなぎ止めるために用いられた石柱で、上部に様々な動物・人物等が彫刻されていて、それぞれが非常に生き生きと表現されているので、民間彫刻芸術の逸品といわれているそうです。
でも息子君達には格好のかくれんぼの場所と化し、一瞬にして姿を見失って慌てふためきました。
こんなところで迷子になられたりしたら・・・・きゃー!心臓がバクバクで探してると・・・・「ママ~、ここだよっ!」ニコニコしながら現れたり・・・・。
<中国も子供の誘拐が多く、親が売り飛ばされた子供を探し当てるという実際のドキュメンタリー番組を中国のTVで見たことがあったので、子供には絶対目が離せないのですが・・・> すばしっこいので「コラ~ッ!」怒ったり、ドキドキで・・”巨人さんに怒られるよ”、っていう言葉も忘れていました・・・(ーー;)

ここ碑林の隠れた目玉が太宗の六駿と言われる馬のレリーフ。
六駿.jpg
これは唐王朝建国に活躍した第二代皇帝太宗が、皇子時代に歴戦をともに潜り抜けた六頭の名馬を顕彰したもの、本来太宗の陵墓である昭陵にあったものです。当時の軍馬、しかも名馬ともなると今で考えると超高級スポーツカーというところでしょう。
「これがオレの愛車だぜ」と彫ってしまいたくなる気持ちも分かろうというものです。
六駿 拓本.jpg
前の日に見た兵馬俑の馬はもうちょっとずんぐり、頭でっかちで短足な姿でしたが、それから数百年後のこちらの馬は、今で言うサラブレッドのような脚の長く引き締まった胴、いかにも速そうな姿。きっと遠い名馬の産地からもちこまれた、それこそフェラーリのようなものだったのでしょう。

あと、どこの博物館にも、兵馬俑にも、必ずといっていいほど設置されていたのが、巨大消火器
DSC03315.JPG
勿論、こんな広大な博物館で火災になると、家庭用の消火器じゃ、足りないですものね。
でも中国国内の観光地で、気にしてみると必ずありますよ。この巨大消火器。

最後の観光地となったのが「小雁塔」。これも薦福寺というお寺です。
二日目の「大雁塔」と比べるとちょっと小ぶりなのでこの名になりました。小とは言っても十三階建て43mもの高さがあります。
DSC_6473.JPG
ここは以前何度も西安を旅行したパパさんが、「ここは観光のメインコースじゃないから、ひと気が少なくって静かなたたずまいのお寺で心が洗われるよ!」と、言って最後の場所として選んだのがここ。
がっ旧正月の人出を見越し屋台が軒を並べ、何となく異国情緒だが国籍不明のポップソングをガンガンかけ、そろいの衣装で踊りを踊りながら イカを焼いている屋台、スズメの丸焼きを焼いている屋台、いったい何なの?
行灯(紅灯と言う)や、キャラクターが木々にくくられて度派手!
DSC_6479.JPGDSC_6477.JPG
ここ、お寺なのにこんなんでいいの?
パパさんも、「4年前はこんなはずじゃなかった・・・なんかショック・・」と、かなり驚いたご様子でした。
観光を一通り終え、西安の手打ち麺を食べて空港へ。

西安咸陽空港までは市内から30分ほどで到着。
北京に帰る友達家族と、行き帰りも同じ時間帯のフライトを手配していただいていたので、空港まで一緒に楽しい時間を過ごし・・お別れ。
DSC03325.JPG
西安の東方航空のラウンジは殺風景。窓がない部屋だったのでゆっくり座る暇もなく息子は飛行機の見える場所へ移動。
「西安さようなら~!ありがとう~!」 息子も「バイバ~イ!」
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東方航空に乗り込むと、息子は機内で頂いたパズルに夢中。
DSC03329.JPG
あっという間に完成させて「出来た~!」と大喜び。パズルできたんだ・・・と、ちょっとびっくりと感動。

とにかく、この西安旅行、お友達家族と楽しい時間を過ごし、盛り沢山の2泊3日の旅でした。
私とお友達の奥さんと、既に次の旅行先を計画中ですけど・・(笑)
楽しい旅を安心して、格安で手配して頂いたY&Mトラベル様、本当にありがとうございました~!!!

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コメント 27

いわもっち

充実の旅行、何よりですね!
by いわもっち (2009-02-10 06:25) 

うっしー

字がうまっ、に大爆笑!

by うっしー (2009-02-10 07:24) 

お茶屋

次も計画中とは・・・☆
まさにnice!ですね♪
by お茶屋 (2009-02-10 09:59) 

k-sakamama

こんにちは~
なかなか行けないので素晴らしい画像を見れて
楽しませてもらいました。
ありがとうございます。

by k-sakamama (2009-02-10 11:20) 

sion

趣があった場所も、好景気で華やかになってしまったのでしょうか…。
すきだった場所が開けてしまう感覚に似てる…それはとてもさびしいですね。
西安、屈強なボディーガードをお供に、行ってみたいです・笑
あら♪つぎはどこへ旅行でしょう^^
旅行、たのしいですね。

そうそう、父が来月上海へ仕事で行きます。寒いと聞きましたので心配なのです。
・シルバークレイ、どこか近くで講師をされてるかたが身近にいらっしゃるといいですね^^ 銀粘土とコンロ用の炉が手に入れば、自宅でも簡単に作成できますよ☆
by sion (2009-02-10 12:44) 

とも☆

こんばんは~♪
いい旅行が、出来てよかったですね(*^_^*)
詳しいレポも参考になりました
男の子はまた動きが素速いでしょうから姿が見えないとドキッとしますよね
迷子にならずにホッとしました^^
by とも☆ (2009-02-10 18:31) 

旅爺さん

西安には私も行きましたがツアーでしたので、コースに入ってない物ばかりです。やはり個人で行かないと見られないですね。
by 旅爺さん (2009-02-10 19:56) 

tubomi

息子ちゃん ジグソーパズル出来たんですね~^^
ニコニコ顔が 浮かびます♪
by tubomi (2009-02-10 20:41) 

まめ助の母

史跡巡りとか好きなので
もし訪れたらずっと見入ってしまいそうです
飛行機でもらえる子供のおもちゃ
まめ助もまだもらっています。
最近は飛行機の模型集めてます
by まめ助の母 (2009-02-10 23:19) 

ゆみっさ

景教流行中国碑、確かに世界史で習いました!
教科書の写真の実物が見られるんですね~なんかわくわくします。
他にも貴重そうな碑がいっぱいですね。

ジグソーパズル、まだまだ出来ないかな、と思っていたけれど、
うちも以前、お子様ランチのオマケでついてきて、
やらせてみたらぱぱっと出来てしまって驚きました。子供の成長は早い!

by ゆみっさ (2009-02-10 23:23) 

chibiroh

あ、ウチもまさに先週末ムスコがパズルできてたことを知り。
まさしくビックリと感動でした^^

by chibiroh (2009-02-10 23:53) 

青い鳥

拴馬粧でのお子様のかくれんぼ、無理ないことですが、
びっくりなさいましたよね。
まして、誘拐があるなどと言えば尚更です。
小雁塔の賑わいぶりには驚きました。
スズメの丸焼きにも驚きです。
by 青い鳥 (2009-02-11 00:12) 

Azumino_Kaku

春節のお休み、ゆっくりできたようで何よりです。
歴史を感じる史跡、そして現代的な都会、農村・・いろんな表情を見せてくれる中国ってホントに面白い場所ですね!
行ったことがないのですが・・いつか行くチャンスがあるかなぁ・・と思っております。
by Azumino_Kaku (2009-02-11 00:15) 

pandan

歴史を感じる建物ばかりですね。

ジクソーたのしそうですね。
by pandan (2009-02-11 06:57) 

qooo

スケールと歴史を感じました〜。中国は大きいな〜。
オリンピック開会式で、巨大巻物、書を、見た時の、
感動がなんとなく蘇りました。
今、公開されてる(パート2がもうじき公開です)
「レッドクリフ〜赤壁の戦い〜』も、ものすごいスケールだったと、父が感動してました。ちょっと、脅威をおぼえるほどです。
by qooo (2009-02-11 08:08) 

STEALTH

悠久・・・ってのを感じますね。天気が良くないのが逆に風情があっていいのではないですか?
しかし、羨ましく、素晴らしい旅行ですね。
by STEALTH (2009-02-11 09:48) 

アカシア

中国を感じる記事じっくり読ませていただきました。
家族で楽しい旅行でしたね(^^)
by アカシア (2009-02-11 15:56) 

tanpopo

三部作、どれも写真がとても綺麗でアングルもmykaira さん上手なので
楽しく読ませてもらいました^^*
旅に出た感じです♡
消火器・・・でかっ(笑)
中国は本当にスケールが大きいですね。
出張じゃなくて観光で行きたいよ~^^*
by tanpopo (2009-02-11 19:45) 

いけ麺

充実の冒険旅行(?)でしたね~!
想い出いっぱいで、イイ記念になりましたね~(^。^)
by いけ麺 (2009-02-11 21:06) 

Delica☆

西安旅行記、最終回も盛り沢山な内容で楽しませていただきました☆
石碑や漢詩、中国の歴史に対するmykairaさんの深い畏敬の念が感じられ、あまり中国史に明るくない私も思わず感慨に浸ってしまいましたよ。
by Delica☆ (2009-02-11 23:09) 

kotarobs

なかなかいいところですね。
ぜひ行ってみたいです。
行くときは時間を気にせず、悠久の時に身を任せてじっくり腰をすえて見たいですね(^^)
by kotarobs (2009-02-11 23:12) 

いばん

次なる旅先はどこでしょう♪
楽しみですね!
中国国内だけでも
いろんな文化があって
料理があって楽しそうですね~
by いばん (2009-02-12 19:26) 

hima

ご訪問ありがとうございます。
うちの母からも心配して国際電話がかかってきましたが、私のいる西豪州と山火事のあったビクトリア州は南豪州という州をはさんでいますのでかなり遠いんです。(東京、ソウル間より遠いです)
西豪州はキングズパークってとこが焼けたり、国際空港でボヤがあったりしたが、幸い人家まで燃え広がる前に消し止められました。
今度はどちらへお出かけですか?
四川の地震でくずれてなければ大同の懸空寺の石仏もおすすめです。


by hima (2009-02-14 17:12) 

SAKANAKANE

とても丁寧な分かり易い解説で、とっても楽しめました。
mykairaさんは、随分と造詣が深いんですね。ちゃんと自分の感覚で捉え直しているコトに感心しました。
やはり中国の歴史というのはスゴイですね。
また旅行を計画されているんですね。そちらも今から楽しみにしています。
by SAKANAKANE (2009-02-14 20:45) 

たろう

中国にも消火器の点検義務とか・・・
あるのかなぁ~、、、。 (←職業病^^;)
by たろう (2009-02-15 09:15) 

SIROTAN

中国史に残るモノをたくさん(人'д`o)拝ませて頂いて、有り難い気持ちになりました~。やはり教科書で覚えるものと実際見るのとでは気持ちの入り方が全然違いますね!!!息子チャンの記憶にも残っているかな?

P.S mykairaサンからのコメントで、イルカの彫刻に乗りましたか?って書いてあって( ´艸`)ムププ 笑っちゃいました!!!札幌の雪まつり会場の氷の彫刻に乗ったらタイ━━━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||━━━━ホ!!はされないでしょうけど怒られちゃいます。さすがのσ(‐_‐*)もそれは・・・・・(´゚m゚`)プッ。
by SIROTAN (2009-02-15 10:10) 

ku-chan

 大変勉強になりました。素敵な記事をありがとうございます❤
by ku-chan (2009-02-19 13:38) 

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